ブルホーン化したTern Crestをオーバーホールしてフラットバー化

Tern Crestのオーバーホール 自転車

Tern Crestとかいうエントリーミニベロ

私のではなく兄の乗るバイクなのですが、数年前にブルホーンカスタムされた個体(カスタム箇所はハンドルのみ)を入手して、ホイール交換して数年で「やっぱブルホーン乗りづらいわ」とのことでフラットバー化。ついでにヘッドパーツやクランク、サドルもリフレッシュしちゃいます。
近影

Tern Crestをブルホーン化する時のちょっとつらいポイント

ブルホーンカスタム、巷ではデメリットをあまり語られないのですが実際の所ストップアンドゴーの多い都心で安全走行をするという前提では結構乗りづらいモノだなあという感想。
  • ダイアコンペのキドネットレバーを写真の通りに配置した場合、フラットバーポジションではてこが弱くてブレーキをマトモに引けない
  • そもそも引き量的にキドネットレバー+ロングアーチキャリパーの組み合わせだと強くブレーキが掛からない
  • 雨の日にエアロポジションで乗ると手がすっぽ抜ける
  • シフターを操作する時にポジションを変えないといけないので辛い
自転車と向き合う上でブルホーンを選びたい場合、合理的な考えがあるとSTIレバーを先端に取り付けたりDi2の電動変速でエアロポジションのまま変速できるようにしたり工夫が必要になるのですが、自転車に掛ける情熱や保管方法(これは駐輪場)を考えるとそれも難しい。

購入したもの

  • Selle Italia Flite マンガンレールサドル \4,200@CRC
  • 113mmの中華スクエアテーパーBB(チタンアクスル)\3,504@Aliexpress
  • 500mmの子供用チタンハンドル(100g切り) \4,948@Aliexpress
  • SORAグレードのフラットバーブレーキレバー \2,737@Amazon
  • 中華(LITEPRO)の軽量クランクセット(クランクとチェーンリング合計で約500g) \6,259@Aliexpress
  • チェーンやハンドルグリップ等 ざっくり \8,000
全部で3万くらい。

古いパーツの取り外し

ヘッドセットやクランクも経年数を考えて清掃ではなく交換しつつ、劣化したパーツを中華パーツメインで交換してゆきます。
MUQZI製のチタンBB(187.6g)。元のVP製シールドベアリングBBは120mmだったが、今回付けるガード付きチェーンリングはクランクのアウターとインナーの中間にチェーンリングが来る方式だったため113mmをチョイス
ふかふかで耐久性バツグンなものの重いサドルはちょっとスマートに
純正のクランクセットは歯数を増やす目的もあり交換。 

Tern CrestのBB交換とチェーンラインについて

純正のチェーンリングはクランクのインナー側に設置されているので、中華あるあるな「チェーンガード付きチェーンリング」を付ける場合はチェーンリングの位置が「アウターとインナーの中間」あたりに来るため、純正と同じ120mmのBBを使う場合はチェーンラインが外側にズレます。
なのでチェーンリングがいい感じの所に来るように調整するべきなのですが、ここで取れる選択肢は「113mm、または117mmのスクエアBBを使う」「ホローテックBBで右側にシムを噛ませてクランクが外側に来るようにする」の2通り考えられるのですが、経験上ホローテックはホコリやゴミに比較的弱く、適当な整備で使えるようにスクエアテーパーBBを選びました。
結局選ぶクランクやチェーンリングによって微妙にチェーンラインが変わるからここは現物合わせで妥協ラインを決めながら試行錯誤するしかない。 現物合わせだから、とはいえエンド幅130mmの自転車であることには変わりないのでこのあたりを基準に考えていくのがベターかなと思います。

換装後

全容
フォークのコラムは3cmほどカットして、前傾ポジションでセッティング
チェーンライン的には丁度3枚目のギアあたりが中心に来る感じで、現物合わせの割にはビシっと決まった感じ
組んでみてなるほどなと思ったのはSORAのブレーキが意外と良く出来ているということ。
強く引いてもヨレないし、Vブレーキ/キャリパーブレーキ両対応で引き量を変えられるようになっていたり、ここだけは中華じゃなくSHIMANOにして正解。
ハンドルは中華チタン、なおかつ子供向け(チューブの厚さが薄い)で超軽量なものの、MTBのように激しい荷重を掛けるわけではないので十分と判断。
中華チタンBB+クランクは軽量、悪く言えば低剛性。チタンシャフトは曲がりなりにもチタンなので「スクエアテーパーBBも悪かねえ…」って感じなのですが、公称366gのクランクは評価が分かれそうなくらい「歪む」。似たようなミニベロロード(105クランク)との比較で言うと200W以上掛けた時の速度のノリ方が微妙で、30km/hより上に持っていくまでに無駄にパワーを使わされている感覚になる。ゆるやかに加速してMAXスピードを25km/hくらいに持っていく乗り方だと違和感は無いので、程々に軽く安価でカジュアルに乗りたいのであれば全然アリ。路地裏でありがちな「一時停止からの右折→立ち上がり」の場面で路面とタイヤの接地感がボヤける印象を受けたので、乗る行為自体が楽しみになっている自転車狂いのみなさんはもっとちゃんとしたのを買ったほうが良いです。

「いっそリアディレイラーも交換するか?」と一瞬考えたものの、結局変速がシビアになることやナローワイドじゃないチェーンリングを使う都合、8速のままでいいじゃんという判断。坂道でローギア立ち漕ぎしてもチェーンがちゃんと噛んでくれたのでOK。

エントリーグレードの自転車に何をどこまで求めるのか?

「自転車に対するアティチュード、というかファッションとしての自転車との向き合いを手頃な価格で」「安全に移動するための道具として」「万人ウケするスペックと耐久性を確保する」事を考えると鉄のチェーンリングや重いサドルは決してネガティブな表現にはならないのですが、一捻り加えてちょっと変わった乗り味にした方が楽しいんじゃないかなーと思いながら組んでみた次第。
べき論で言えば「純正のままボロボロで乗ってフィジカルでカバー」するのも正解だし、「室内保管で一度乗ったら必ず清掃」するのも正解だし、走る・止まる・曲がるを確実に整備した上で好きなように遊べるのが自転車の面白い所だと思ってます。