Amazonで売ってる中国製の安い交換用ギターネックを買ってはいけない理由

自作ギター
ゴミ

安価なギターネックを買ってはいけない、という言説と、「安いけどちゃんと使えます^^」という一部コメントに惑わされて色々買った結果がコレ。
「CNC削り出しの1万円の激安中華ネック」みたいなのから「2万円の手作りネック」まで、色々買って安物はダメだと気付くまでに時間が掛かったので反省の意味も込めて。

買ってはいけない理由

フレットが端まで打たれていない

指板のエッジにまんべんなくRが付いている

これはFLEORの8000円くらいのギターネックです。チャチな塗装で鼻の詰まった(ネックで弦振動がスポイルしている印象の)安ギターの音って感じだったけど、一応弾けはしたのでジャンクギターに1年くらい付けて運指練習に使ってた。
コイツの場合、恐らく「指板を塗装まで仕上げてからフレットを打って出荷」という工程を組んでいるからか、指板エッジにフレットのラインも含めてまんべんなくRが付いている都合、フレットを端までちゃんと打てないんだと思います。
それによってプレイアビリティ的には指にフレットの端が引っかかったりする事はないものの、フレット全体が指板の幅に対して短いので弦落ちしたり、弾いた感覚として不自然になったりします。11.3mmピッチのビンテージスタイルのブリッジと組み合わせるとほぼ確実に弦落ちする。

届いた瞬間「使えない」のが分かってしまったパターン

逆に手作業でエッジを仕上げている場合でも、安い職人だとフレットの端の処理と同時にエッジまで派手に削るパターンもある。コイツはフレットも浮いてるしどうしようもない。ゴミ。

指板のR付けが雑

Rの付き方が…

指板Rを削る時、中心が頂点になるようにRを付けていると思うのですが指板面がヘッドにかけて落ちてゆく時のRの様子を見ると、指板Rの偏りがわかります。
この場合はなぜか「1弦を頂点として6弦に向かってなだらかなRを描く」ように指板が削られているので、ネック全体として「1弦が高く、6弦が低い」ポジションになります。こんなんまともなギターになるわけがない。あとナットの接着剤がハミ出してる。

ナットが0mmの位置で切り出されていない/フレットの溝切り位置が雑でピッチが合わない

もう修正しちゃったので写真は無いのですがナットのスロットの位置と1Fの位置が適当で、何も考えずに「流石にナットのスロットの位置は合ってるやろ」と思って組み込むと痛い目を見ます。音痴ギターの出来上がりである
後はフレット溝自体も位置決めが甘くて、取り付けた個体はどうやってもピッチが合わなかった。

ネックの厚みが1インチ無い/ネックエンドを削りきれていない

0.5mmの薄板噛ませてようやく1インチ

Fender系ギターの場合、ネックの厚みが25.4mm(1インチ)になるように整形されて弦高がうまく合う形になるのですが、コイツは25mmもありませんでした。
ていうかこの個体に至ってはネックエンドが22Fを多くはみ出して整形されていて、このままポン付けしようとするとブリッジのオクターブ調整域をオーバーしてしまうので5mmほどネックを削って整形しなくちゃいけない。

エンド処理が雑

後はそもそも明らかに垂直に切り出されていない所もあるので、安いネックの手作業の部分は何らかの瑕疵があると思ったほうが良さげ。

トラスロッドが変

レンチ入らない

見た目にこだわってローズのバインディングをトラスロッドのスロットに付けたあまり、適当なトラスロッドのインサート加減によって調整不可能になるパターンもある。ていうかこうして見た時の指板Rのバラつきがヤバい。

最低3万円は見ておくべき

木工は減ったものを元に戻せない。どこか一つでも削りすぎの部分があった瞬間ゴミになってしまうのでちゃんとお金を出してマトモなモノを買った方がいい。
Fenderのリプレイスメントネックは3.5万でメキシコグレードとはいえ間違いなく「Fenderブランドを毀損しない品質」でデリバーしてくれるので、とりあえず弾けるネックが欲しいという場合はFenderを買うのが現状最適な選択肢なんじゃなかろうかと。オークションに出てる中古ネックはなおのこと「使えなかったので売る」という動機で出品されている可能性が高いので手を付けないほうが良い。
※ヤフオクに未使用ネックが出ている場合でも、「フレットの種類」「指板R」「ネックプロファイルやグリップの厚さ」に言及していない出品物は出自が不確かなので疑った方がいい
「自作ギターにコスパ関係無い」場合、Facebookの「Partscaster Guitars and Kits」というグループがこのネックでギター組んだよ、というレビューを日夜投稿し続けているのでそこを参考にしてみるとかどうでしょう。